銀河と四季の道標

綴りたいことは日々あふれるからその溜め処。

ゼンマイ仕掛け  

切れかけの夏のゼンマイ仕掛けが
ギギギギギギと音を立てては一際目立っている
油切れの夏虫はツクツクボウシの愉快な鳴き声さえかき消して
僕の頭に巣を食う

ギギギギギ、ギギ ギィ…

「もう夏も終わりだよ、春の間に巻ききった夏のゼンマイももうそろそろ巻き切ろうとしている」

声がして 考えて ねじれた頭に首が痛くなって 冷蔵庫に走って 缶ビール


また正直者の冷たい風が部屋に流れ込んで
そのたびに遠くなる夏虫たちの声がさよならのあいさつに聞こえて



人とは耐えられずいつも
完全なる四季に支配されていることを知らしめる晩夏の裏顔に
自分ではない 少しかすむくらいの現実の限界地点
指先の粒子が微かに触れるところに
ちいさく季節の記憶を落として流れていく

そして余計切なくなることを知って 尚
ぜんまい仕掛けの時間の中で 精一杯生き切っていくしかない


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