銀河と四季の道標

綴りたいことは日々あふれるからその溜め処。

夏の絵描き  

夏の絵描きが
初夏の狭間にそっと忍びこんで
ちいさな3つのビー玉を詰めると
ホトトギスの合図に
そっとすこし 蛙たちの声が律を揃え
夏呼びの儀式を始めるのだ

夏の絵描きは
その風景を目にして、穏やかに青い
吸い込む瞳をひと瞬きすると
遊ぶように好きな絵の具を一色選ぶと
筆につけて空間を色づける

湿気りを利用して
うまくぼやかす事の出来た輪郭に
浅く顎を数回沈めてパレットを片づける
絵筆は雨露の大きめなものに
その繊細な筆先を近づけては沁みこませ
パレットに残った絵具は
小川に沈めると色とりどりの金魚になって泳ぐ

夏の絵描きの訪れは
そのようだから 朝起きた時
一際光を跳ね返す風景に知ることができる

そしてそれが
夏がやってきたという紛れもない証拠なのだ
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