初夏の静かな部屋はなにかがある
窓のそとは汗をかいた人たちが
笑顔で通りすぎていくのに
快適に一分の好きもない完璧な空間では
遠くまで過ぎていく足音が
歪にいつまでも響く

ぼくのまわりは静かで
その少し向こうは賑やか
重なる足音や声が空間中に響く
それが一個

また誰かが通りすぎていく
ぎちゃ、ぎちゃ、ぎちゃ
レースのカーテンは揺れもしない
並んだベンチ椅子には僕だけ
1:30を待っている
クォーーーーーーーンと機械が泣く

明るいのに蛍光灯はついたまま
白い壁はひび割れ
ずっと昔の悲しい(そして怖い)秘密を秘めている
ひび割れの宇宙
黒い部分がにじみ出す
ブラックホール
だれも知らないブラックホールがにじみ出る
吸い込まれる
もう、その中なのかもしれない

カシャンカシャン
遠くで器具のぶつかるおと
だれかが通りすぎる
ちろちろちろ
ブラクックホールの亀裂の近くで
だれかが少ない水を飲んでいる
キュイッ

急ぐように踵を返すのは
きっと急ぐ降りだまそうとしてる
ほんとはなにもないんだ
まったくなにもない
ただうごいているだけ
よくみるとその影は透明で
すっかり遠くを見通せる
影だか風だか
まったく検討もつかない

だれかが電話してる
すこし切ない電話
こころがある
とても切ない電話

窓の外さささ
きれいな新緑がゆれる

かぜが揺らしてる


もうすぐ夏
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