銀河と四季の道標

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Category万夜一夜 1/2

万夜ノ六:月再び

結局すべての後始末を負わされしぶしぶと箒をふりこる僕に神など存在しないのだ。不在を悟って、また都合よく信じてその繰り返し。苦しい時にもほどがある。神様側からすればそんな声も聞こえてきそうだけれど。なんだかんだと片付けが終わったのは0時すぎ。くたくたの体を抱えて店のシャッターを閉めた。「ハァー...」空に向かって吹いた息が一瞬白く凝って消えた。今夜は新月。…笑うな。コンビニにより夕飯をあさる。腹は減って...

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万夜ノ五:宇宙

僕は眠らなければならないと思った。今夜やつがくるのなら、そのまえにもっと深い眠りにつくことが必要だからだ。やつとはもちろん悪夢のこと。なんの心理的要因も思い浮かばないのだけれど、さいきん立て続けに同じ悪夢をみてうなされている。初めて見たのは確かちょうど1週間前の夜。その日は熱帯夜だったこともあり、また翌日が休日だったので深酒をした。それも原因のような気がするが、それでもなんであんな夢なのか、状況が...

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万夜ノ四:世界

白いこどもがいて僕はどこへ行きましょうかと、バス停の雲人に訪ねている。「私に聞かれてもねぇ…」困った顔で雲人は首をひねり、そのまま帽子を深く被ってしまった。白いこどもは白いこどもで困った顔をしている。けれど泣くような顔ではない。じゃぁ、とりあえず、そう言って白い子どもも雲人の隣に立ちバスを待つことにした。雲人はもう、多分意識的にだと思うが、こどもなどいないという風に振る舞い帽子をあげ、あくびをした...

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万夜ノ三:赤い月

飲み屋を二軒梯子し、久方ぶりに気持ち良く酔った俺は鼻歌交じりに帰路を辿っていた。九月上旬の月はよく空にはえている。「満月かぁ…月見るのなんて久しぶりだなぁ」俺は上機嫌に月を見上げつぶやいた。心地よい酔いのせいか、久しぶりに見上げた月は本当に美しく感じた。するとそこにちょうど公園があり、俺は誰もいない土手の公園におり、ブランコに腰かけた。せっかくだから漕いでみるか。酔い任せに俺は月を見ながらブランコ...

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万夜ノ二:夏虫

日差しの届かない夏の草はらの葉の陰に夏虫は一匹静かに今日もひたすら生命活動を続けている。夏の間しか存在できず、生き物の目には昼間、透明にしか映らない夏虫。その存在意義など分からないし分かりたいという欲も本人にはない。ただひたすら蒸す草むらの中、トロリトロリと透明な粘液を跡に残しながら夏虫は、夏の世界を巡回するのだ。夏虫は夜になると別の姿を見せる。日中透明だったその体表は空を反映し、晴天の夜には星々...

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綴りたいことは日々あふれるからその溜め処。
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木や空やただ不変にある全てと本気で対話して仲良くなれたらぼくの不安は吹き飛ぶのです

あきめきたくないのにあきめき心さえ反応して、この頃…(17/10)

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