2016.09.06 破裂
natu,"honrow"(翻弄)
その暑い手のひらの中に僕は 中指の爪さえ届かずに
神秘的形状の完全たる夏の爪先を
今季も 、逃したが

これがスパーコンピュータシュミレーションの成す
ものなのだとしたら、ぼくは
ぼくはその2次元にも届かない空想的現実的迷人として
頭より落下する (袖の中)
戯れし秋風の惑い なすすべなくくるくると
上昇も下降もせずにただただ てくび
神の手首の周りを 回転式やじろべぇとなり
今も、ずっと続いている(いく)

夏風残る日暮れ時西日浴びて
静けさの中に沁みこんだ過去すくって
ゆびさきについたもの 
今日のゆるやかな風に散った

しずけるそらの青さに白が染みて
ぼやけ具合に今日の僕を想ってる
さきみだれるようななつのいろとりどりに
またちゃかしては茶けていく

雨音と白い空つながって
きもちさらつくような、今日はいいかんじかな
夏の日々にきらめいた その
おもい想いがまた 僕らを育ててくれる

ときどきふる 憂鬱のかたまり
楽しい事のあとにそっと降るそれもあめだけれど

ぱらぱら くちずさんで
ざーざーも歌にして そうやって生きていこうよ
またすぐ青空は来るさ

雨音と遠い未来少しかすって
生ぬるい夏の風がぼやけた世界にしている
思いのほか 黒い雲ははやく ぼくのそらを抜けるけど

ときどきふる 憂鬱のかたまり
そのあとにそっとかかる虹は


ときどきふる 憂鬱の雨に打たれても
平気さ明日は きっと晴れてる

そのくらいの気持ちで楽しい事だけ 事だけ考える


2016.08.20 夏、帰る
夏はいつものようにそろそろと言いながら
わざとらしいほどの余韻を残して、それでツクツクボウシを出動させる
ふふ~んと、高みで鼻歌を歌っているのだ
ぼくはまだ8月は終わっていない、ちゃんとしろという
たるんでるぞ、なんだ最近の入道雲は、めっきり崩れているじゃないか…

届いているんだか、届いていないんだか夏は
不快な蒸し暑さだけ、不安定な雨雲だけを残して
あの上の方で「そろそろじゅんびをしなくちゃな」といって
荷造りをしている 

「じゃあおばちゃん また一年後くっからー」

そんなこといってる

気ままな奴なんだ、夏って

2016.08.20 夏の王国
小さなカブトムシ 夏の暮れに見つけた
こっちのほうじゃタッペとよぶ
クワガタのメスが一匹 散歩の公園を横切った

昨夏なにか悪いことしましたか、神様
今年は一匹たりと 我が家の周りには現れませんでしたね

なんて声をかけてみると
いちどじっ、 ととまったのに
またスタスタと忙しそうに林の方へと歩いて行った
1、2年の命 僕と話すことは時間の無駄か

でもまってくれ そっちの方はまだ
 まだなつなのかな
だったら一緒に連れてってくれよ!

僕はそこだけは一番に本気で テレパシーをおくったのだけれども

夏の幕を引き連れて 夏虫は遠い遠い
夏の帝国に 永住しているんだ。