2016.06.29 したした
ひとしきり雨
黴だす部屋に焦って窓を開けても
梅雨、だし

質量ある風は心までも負荷かけ
床を抜けおち ぬかるみにはまり
底なし

梅雨 語源は中国に有りもともとは
黴雨、だったらしい

どうでもいいことが頭にへばりつき
かたつむりのように思考にもとろみがかかる

ずっとつづいている
2015.06.26 梅雨
雨降る前の静かな暗がりに
部屋の明かりも闇を纏う
それでいてまだ眩しいのは
自分自身が闇に近づくから

低気圧に支配されて
だるい体をカタツムリのように這いつくばらせて
それでも生きている衝動は空白を嫌い
何かしようと優柔不断に時を豪遊する
そんな感覚だ

夜に近づくにつれて湿った空気に
漂い残る生活圏の音全てが等しく
重低音に包まれてそれさえ気付く事が出来ず

無意識の中で静かに闇に溶け込んでいく

2015.06.19 雨音
雨も降ってさ 一巡した湿りに安心した
かえるのように静かに鳴く
とても湿った日和

雲の上は晴れてる ロケットがあるなら
それだけのはなしさ
結局僕ら 手の届かない事にかわりはないのだから
そうだろ

でもこの無数の降る雨音のひとつひとつ
聴き定めるくらいに集中して目を閉じると
雨を抜けて 曇り空を抜けて

雨も降ってさ 一巡した湿りに安心する
かえるのように静かに鳴いて
とても偏った 夏の前に 白けた 日和
雨の日はいつも後ろをついてくる みずるくん
かさしてともだちとふたり ぴちゃんと
きこえたあしおとにかおあわせてわらった

きたぞきたぞ、みずるくん

うしろをむくとはしってにげてしまうから
こうえんであそぼうよとまえをむいたままこえをかける
するとみずるくんは ぴちゃんぴちゃんと
うれしそうなこえをあげる ぴちゃん ぴちゃん

ふきのかさしたふしぎなこ
つゆのつかのまのおともだち

みずるくんみずるくん、あそぼうよ

ふとはんしゃしたみずたまりにうつったみずるくん
なんてすてきなえがおなんだ

ぼくらあめのひだっていつだって
こうしてたのしさあげたらきりないのさ!!
あめちたる6月の休日
網戸に濾された格別の
つゆの匂い嗅いで
何十回も確かめた季節
四季にはぐれた梅雨はこうして
ただ居心地良く存在を伝えるのだ

たかくひびく夏鳥の、声は
僕らを閉じ込めた遠いとおい季節を
眠らせて いちねん いちねんと

見上げると蕗の葉があって
雨が落ちるたびに響く轟音にびくびくしながら
その蕗林を掻い潜ってゆく

あめちたる露の儚い幻想に
ひとり精一杯の空想遊ばせては
先待つ夏の真実に心臓のドラムはビートを上げる

静かに、ただ静かに 雨音のように。