あの盛夏の華夜
水面に儚く咲いた鏡火
消えた後にも余韻が網膜に焼きついて
そこにいたこと、おわったこと

走るだけ走り抜いた
滴る汗の留まりない事に笑う
水飛沫があがりきらきらと華やいだ
あれは幻か、夢か

万華鏡をのぞきこんだ
その奥にしか、もう垣間見る事さえ許されない
全てが幻想的なフィクションの中で
培った妖しい感覚は今も
覚えているのに、今さら蘇る事はない

大事なものを遠くに
"おいてけぼり"にしたぼくたちはみな
不完全だからこうして卑しく過去を懐古しては立ち止まれない
生まれながらの罪というもが存在するなら
そうして遊んでいる神様が居るとしか思えないのだ


キョキョキョケキョキョ
夜中昼過ぎごろ響く声で鳴いていた
この声
いったいなんのとりだろうと
そのまま
「キョキョキョケキョキョ」で検索をした

これじゃないこれじゃない
何べんか探すうちにみつかったのは
ホトトギス
なぜにそんな夜中に鳴くかは専門家もしらないらしい
そして鳥の中にも鳥目でないものが居て
このホトトギスも夜でも目が働く事を知った

それだけの話で
なぜわざわざ詩だか雑文を作ったかというと
このホトトギス、歴とした夏鳥なのだ
それもウィキペディアで初めて知った訳ですが

こんな風に大人になってからも
新たな夏との出会いが突拍子もやってくるから
ぼくは死ぬまで詩を書き続けなきゃと
なんともうれしい使命感に誘われるのだ

今夜、耳を澄ませてみてください
もう夏鳥が鳴いているんですよ
甲高く、夏星を呼び起こすように
2014.06.25 かき氷期
ぼくの氷かき器は
さらさらと音を流しながら
細かい雪みたいに降らせる
ひとまわし さら
ふたまわし さらさら

そんな儚い細雪は
こんな心地の良い初夏の暢気にも
解けてしまうから
一番日当たりの悪い 
台所なんかでつくるわけなんだけれども
ひとまわし さら
ふたまわし さらさら
予想外に
心まで冷え切っていつも
上手に創った手作りのかき氷は放置され
とけて
勝手に


星、なにも知らないで
そうして吐いた溜め息が
上空でミルキーウェイ

いろいろあるけれど
今日は
いい匂いのミルキーウェイわたって

僕んちにたどり着く
祭り
2013.07.06 夏仕様
空の青さに
蒸し暑い熱帯夜に
虫のなく世界に(もうすぐね)
どでんと
夏の真ん中にいる

聞こえる音楽も夏仕様
みんなの衣装も夏仕様
けしきぜんたい夏仕様

みんなでいっせい夏仕様



夏夏夏夏、夏しよう!